現役のヘルパーステーション管理者に聞く、訪問介護(ヘルパー)の仕事を長く続ける上で気を付けていることとは?
利用者様のご自宅を訪問し、必要なサービスを提供する訪問介護。たった一人で訪問し、誰の助けもなく家事や洗濯などを時間内に済ませなければならないことに、不安を覚える人も多いのではないでしょうか。
そんなヘルパーのお仕事をしていく上で、気を付けるべき点は、一体どんなところなのでしょうか?
そこで今回は、現役のヘルパーステーション管理者に聞く、訪問介護の仕事を長く続ける上で気を付けていることとは?について、インタビューをお送り致します!
ヘルパーの仕事をする上で気を付けなければいけないことは何ですか?
いろいろありますが、まずは上手な段取りですかね。ヘルパーの仕事は、良く言えば自分のリズムで仕事ができることだと思うんです。例えば、調理と掃除を1時間でして欲しいと利用者様から言われたとします。そうすると、料理の下ごしらえに初めの10分を使用して、煮込んでいる間に掃除をして、など段取りを組むところからがヘルパーの仕事なんですよ。だから、段取りが悪ければ時間オーバーしてしまいます。
時間オーバーしてしまったらどうなるのですか?
ヘルパーになって間もない頃は、私のような管理者や他のヘルパーが同行するので、指示を受けながら何とか時間内に終わるようにしています。その後、一人で利用者様のご自宅を訪問するようになった時、どうしても時間内には出来ないことがあります。誰がやってもこの内容では時間内には無理です、ということであれば、プラン内容を見直します。しかし、そのヘルパーの段取りに問題があって時間内に出来ない場合は、時間オーバーしてでも最後までやってもらいます。それが、そのヘルパーの成長の為だからです。
その場合、そのヘルパーの次の訪問先がすぐ後に入っていた場合はどうなるのでしょうか?
前の訪問先での時間が長引いて、次の訪問先へ遅れることもあるし、ヘルパーたちは車で移動するので、渋滞にはまって遅れるという事態もあります。そういう場合には、ヘルパーから管理者である私に電話をもらって、私から利用者様へ連絡するようにしています。利用者様とヘルパーとの、連絡先の交換は一切禁止ですので。
それはなぜですか?
例えば、認知症がある利用者様だと、昼夜問わずに電話がかかってくることがあります。担当のヘルパーに、利用者様からしょっちゅう直接電話がかかっていたら、ヘルパーの体が持ちません。また、私の知らないところで、利用者様とヘルパーとの間に何かトラブルが発生した場合、私がカバーしてあげられない恐れもあるからです。そういう理由で利用者様との連絡は、私を必ず通してもらうようにしています。
まとめ
今回は、ヘルパーの仕事を続ける上で気を付けていることについて、いろいろとお聞きしました。もう一度ポイントをまとめておきます。
- ヘルパーの仕事は段取りが命である。
- 自分のスキル不足で時間内にサービスが終了できなかった場合には、時間オーバーしてでも最後までやり切る。
- 誰がやっても時間オーバーするようなサービスの場合は、プラン内容を見直す。
- 利用者様との電話番号交換は、何か問題が発生した場合、ヘルパーステーションの管理者でも解決できない恐れもあるため連絡先の交換はしてはいけない。
利用者様のご自宅で行う訪問介護サービスは、段取りを自分で考え、自分一人で行動しなければいけません。ただ、自分のペースで仕事ができるので、誰かから指示されるよりも、自分で創意工夫することが得意な方には、向いている仕事なのではないでしょうか。また、利用者様とどれだけ信頼関係があったとしても、電話番号の交換をしないことが、ヘルパーの仕事を続ける上で、気を付けるべき点のようです。これからヘルパーとして働こうと思っている方にとって、今回の記事がお役に立てれば幸いです。
※この取材内容は、全ての介護職、および介護業界の実情にあてはまるとは限りません。