デイサービスの現役管理者に聞く、将来の介護は施設よりも在宅へシフト?今、話題のチームケアとは?
介護が必要な状態になっても、人気のある介護施設に入るには、何年も待たなければいけない。そんな話をニュースで聞いたことはありませんか?一方で、政府は在宅介護に力を入れる方針にシフトしつつあるとも聞きます。
また、最近よく耳にするチームケアとは何でしょうか?
そこで今回は、デイサービスの現役管理者に聞く、将来の介護は施設よりも在宅へシフト?今、話題のチームケアとは?について、インタビューをお送り致します!
これからの介護業界に向けて必要なことは何でしょうか?
いろいろなところで言われているチームケアでしょうか。チームケアとは、医師、看護師、介護士などの専門性が異なる人たちがチームを組み、介護を必要としている人のケアにあたることです。様々な専門職が自分たちの持っている知識や技術を共有して連携を図る重要性が高まっています。
チームケアが必要になった背景には何がありますか?
以前は、介護というと介護士の仕事しかありませんでした。だから、1人の利用者様が入院すると、医療の部分は医師や看護師の仕事になるという縦割り型の役割分担でした。
それが原因で、例えば、入院していた方が退院して施設や在宅での介護に移る際に、医師と介護士との連携が上手く出来ていないまま、無理やり退院させられた、といった問題が起こることがありました。
チームケアのメリットは何ですか?
介護士だけが利用者様のケアをしていた頃に比べて、幅広い視点で介護ができたり、介護に必要な情報を得られたりしますね。介護士には医療行為が出来ませんから、医師や看護師がチームに入ることで、利用者様の持病の管理や緊急時の対応がスムーズにできるようになるでしょう。
チームケアに関する新たな研修もありますか?
そうですね、ちょうど今年の1月に受講したのですが、「認知症介護実践者研修」という研修制度があります。内容は、「認知症の利用者様に対してどのように介護を実践していけば良いのか?」について、チームケアの重要性や介護タクシー、民生委員の重要な役割などを学びました。これを受講すると、修了書をもらえるので一つの資格として履歴書にも書くことが出来ます。
民生委員さんも関わってくるんですね。
民生委員さんは、自分の地域にお住まいの方のことをよく知っておられるので、認知症で徘徊される方がいらっしゃったら社会福祉事業所、ふれあいセンターなどと連携を取りながら保護するなどの重要な役割を担っていらっしゃいます。今は核家族で老々介護が当たり前。だからこそ、介護を家族だけで抱え込まずに地域全体で見るような体制や仕組みが必要になっています。国の方針も施設よりも在宅介護へ向けた動きがあるので、チームケアはこれからますます発展すると思いますよ。
まとめ
チームケアと在宅介護について、もう一度復習しておきましょう。
- チームケアとは、医師、看護師、介護士などがお互いに連携して利用者様をケアすること。
- チームケアにより介護士には出来ない医療行為など幅広いケアが可能になる。
- チームケアに関する研修には「認知症介護実践者研修」がある。
- 将来的には、在宅介護が増えると思われるので、民生委員を中心とした地域でのケアも重要になる。
今回のインタビューの中で出てきた「チームケア」が、どこの地域でも利用出来れば、利用者様や、そのご家族様は、安心して介護を任せることが出来るでしょう。
介護の仕事に関わっている方も「チームケア」によって、ご利用者様に対しての適切なケアを行うことが出来るようになり、ご利用者様も介護の現場で働いている方も満足出来る介護が実現するのではないでしょうか?そういった観点でも、介護職には重要な役割を担う、やりがいと将来性がありますね。人の役に立てる仕事がしたい、やりがいや働きがいがある仕事に就きたい、と思っている方は介護の仕事を天職にすることを考えてみても良いのではないでしょうか?
※この取材内容は、全ての介護職、および介護業界の実情にあてはまるとは限りません。