お仕事インタビュー!

現役のヘルパーステーション管理者に聞く、新たに始まった資格がなくても介護の仕事ができる介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)のメリットとデメリットとは?

メリット:気軽に介護の仕事を始めることが出来ます。デメリット:賃金格差があります。

介護保険法が一部改正され、2017年4月から介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)が全国の介護事業所で始まりました。

介護保険の利用者様にとって、そして何よりも求職者にとって、この総合事業のメリットとデメリットは何でしょうか?

そこで今回は、ヘルパーステーションの現役管理者に聞く、新たに始まった資格がなくても介護の仕事ができる総合事業とは?について、インタビューをお送り致します!

総合事業が始まった背景を教えてください。

第一次ベビーブームに生まれた人達(いわゆる団塊世代)が、2025年には75歳以上になります。それを見越して、国としては、増え続ける介護保険給付費を少しでも抑制したいと考えていました。

そこで、総合事業を始め、各市町村が独自の介護サービスの内容や報酬を決定出来るので、比較的元気な高齢者が多い地域では、介護保険給付費を低減することが可能になりました。

これから介護の仕事をしてみたい求職者にとってのメリットは何ですか?

介護の仕事に興味のある人が参入し易いことがメリットだと思います。

市町村が開催する講習を受けて修了証をもらえば、仕事の範囲は限られますが訪問介護の仕事が出来たり、場合によってはボランティアで介護サービスを提供することが出来たりもします。介護職に携わる人のすそ野を広げる意味ではメリットがあると思っています。

では、反対にデメリットは何でしょうか?

求職者にとっての一番のデメリットは賃金面での格差でしょうね。

例えば、訪問介護の仕事をするにあたって、ヘルパー2級(現在は、介護職員初任者研修)のような資格を持っているスタッフと、講習は受けているけれど無資格者である場合、時給幅が最大600円程度違うことがあります。この時給幅は、もちろん事業所によってまちまちだとは思います。

無資格で介護の仕事をすることは、介護の仕事に興味のある未経験者にとって気軽に始めることができますが、賃金面を考えると介護職を続けるなら早い段階で資格を取っておいたほうが良いと私は思います。もちろん、利用者様にとっても資格があるのとないのとでは安心感が違うのではないでしょうか。

利用者様にとってのメリットは何でしょうか?

要介護認定に該当しなかった方で65歳以上という条件で、何らかの支援が必要な方であれば、どなたでも利用できる点がメリットだと思います。

例えば、今までだと介護保険の利用とは無縁だった65歳以上の家を出られない方にも必要なサービスを提供出来るようになると期待しています。

シニアの車椅子を押すヘルパー

まとめ

最後に、新たに始まった総合事業についてもう一度おさらいをしておきましょう。

  • 総合事業では、無資格者で未経験者の方でも介護の仕事を始められる。
  • 介護の仕事を続けたい場合は、利用者様に安心感を持ってもらうために、必要な資格は早めに取っておいたほうが良い。
  • 訪問介護の場合、事業所によってまちまちだが、無資格者と有資格者とでは時給幅が最大600円程度違うこともある。

岡山市では2017年4月に始まり、倉敷市では2018年3月に開始された総合事業。無資格者で未経験の方にとっては、介護の仕事を気軽に始められる点はメリットですね。

興味のある人は是非、岡山県の介護に特化した求人を扱っている「岡山介護求人センター」へ問い合わせてみてはいかがでしょうか?

※この取材内容は、全ての介護職、および介護業界の実情にあてはまるとは限りません。

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