お仕事インタビュー!

深刻なヘルパー不足を解消するために必要なこととは?

ヘルパーの賃金アップと、潜在介護士や新規参入者に対する就職支援体制の整備でしょうか。

ヘルパーの仕事は、時間の融通が利いて、自分の働きたい時間帯で介護の仕事が出来るところが最大の魅力です。しかし、ヘルパーになりたい人が豊富にいるかというと実はそういう訳ではありません。

では、ヘルパーを増やすために、必要なこととは何でしょうか?

そこで今回は、現役のヘルパーステーション管理者に聞く、深刻なヘルパー不足を解消するために必要なこととは?について、インタビューをお送り致します!

介護業界は全体的に人手不足だと聞きますが、ヘルパーも足りていないのですか?

そうですね。ヘルパーが豊富にいるという状況ではありませんね。

業界はどのような人材を必要としているのでしょうか?

介護の仕事全体に言えるのですが、どの介護職にも体力が必要です。ですから若くて体力のある人が必要とされています。しかし、残念ながらヘルパーになる若者はなかなかいないのが現実です。

ヘルパー

それは給料の問題が大きいのでしょうか?

賃金が安いというのは、とても大きな要因でしょうね。
ヘルパーには出来る限り高い賃金を支払いたいと思っているので、弊社のヘルパーステーションの時給は、高めに設定しています。しかし、その一方で、もらえる給料が高いから介護の仕事が続くとも限らないと思っています。
例えば、時給2000円でヘルパーの求人を出したとします。確かに、最初は2000円の時給に惹かれて応募してくる若者もいるでしょう。しかし、彼らが何年もヘルパーの仕事を続けられるかどうかは疑問ですね。

なぜそう思われるのですか?

どの仕事にも共通していることですが、給料面だけでその仕事をずっと天職として続けていくのは難しいと思うからです。ヘルパーの仕事は、利用者様と密に接して信頼関係を築くことが必要とされる仕事です。そして、体力的にも決して楽な仕事ではありません。だから、人と接することが嫌いな人には、まず続けられない仕事だと思うんです。私は、今までたくさんのヘルパーを見てきて、根底に「人が好き」という気持ちがないと、この仕事は続けられないと実感しています。

では、どうなったらヘルパーが増えるとお考えですか?

人と接することが好きな人で介護関連の資格を取得している方は既にいると思います。ですが、介護の資格を持っていても介護の仕事をしていない人が非常に多いのが現状です。
いわゆる「潜在介護士」ですね。
潜在介護士が介護の仕事をしない理由は、人それぞれですが、賃金が安いという理由があることは確かです。ですから、ヘルパーの数を増やすためには賃金を上げることは必須だと思っています。

確かにそうですね。では、最後にヘルパーの仕事は魅力的だけど賃金が安いから…と、躊躇している人に向けてメッセージをお願いします。

ヘルパーの仕事は大きなやりがいを感じられる仕事です。しかし、ボランティアではありませんから、体力が必要で責任も重い割には賃金が安いと感じていらっしゃる人の気持ちはよく分かります。
在宅介護のニーズは、これからも増えることが予測されるため、ヘルパーはもちろん介護職員の確保が急務です。このため、政府は離職した介護職員の再就職に必要な準備金を貸し付けたり、これから介護の仕事に就く人に資格取得費用を貸し付けたりと様々な施策を進めています。これらの貸付金は、一定期間内に介護職に就く、定められた期間以上介護の仕事を続けるなど、条件を満たせば返済が免除されるという優遇措置も含まれています。
こういった政府の取り組みを見ると、賃金アップも含めて介護業界全体の将来は明るくなるのではないでしょうか?

ヘルパーとシニア

※この取材内容は、全ての介護職、および介護業界の実情にあてはまるとは限りません。

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