デイサービスの現役管理者に聞く、介護の仕事の魅力や働きがいを教えてください。
介護の仕事は体力面、精神面において大変だと聞きますが、働きがいを持って続けていらっしゃる方も多いですね。 介護の仕事の魅力ややりがいはどのようなところなのでしょうか? そこで今回は、デイサービスの現役管理者さんにお聞きした、介護の仕事の魅力や働きがいについて、インタビューをお送り致します!
介護の仕事の魅力ややりがいは何ですか?
魅力は、人との出会いですね。これに尽きます!そういえば先日、うちの施設の社長とこの仕事の魅力ややりがいについて話をしていて、なるほどなぁと思ったことがありました。
ぜひ、お聞かせください。
うちの社長が、例え話をしてくれたんですよ。人の人生の1年間を、一巻の本だとします。つまりその人の年齢分だけ本があるということですね。それで、例えば、利用者様が83歳のときに、私と出会ったとしたら、83冊目の本の中に、私が突然ポンッと登場するわけです。そこから、デイサービスに週3日来る人だとしたら、1年間で半分くらい会っている人になるわけですよ。それって、ものすごく密度の濃い割合で、その人と会っていることになりますよ。とても濃い関係になるでしょう?と。つまり物語の後半に登場する重要人物なんだよっと。そんな話をされたんですよ。
なるほど。素晴らしい表現ですね。
私もそう思いました。人生のエンドが見えつつある利用者様に対して、濃い時間を一緒に過ごせるってとても貴重なことだなと改めて感動したんですよね。そして、どのくらい充実した時間を過ごせるかは、あなた次第なのよ、だから介護の仕事はとても素晴らしい仕事なんだよ。とも言われて、非常にやりがいを感じたんですよね。
そういう観点から具体的に、介護の仕事の現場でやりがいを感じるときはどのようなときですか?
例えば、家から出ることも難しい方がうちの施設に来てくれた日には、職員全員で「ヤッター!」みたいな達成感を感じますね。そういうことは職員一人ひとりの努力があってこそなので。また、その達成感や喜びを職員と共有できることもうれしいですよね。他にもお風呂に入れなかった人が入れたとかね。そんなエピソードはたくさんあります。
最近、特に印象に残っている利用者様のお話があれば教えてください。
はい。奥様の認知症がどんどん進んでいらっしゃって、介護をご主人様がされていらっしゃる方のお話なのですが、奥様の介護を旦那様がされるのって生活レベル的に見ても厳しいことが多いわけですよ。家の事もよく分からないし、家事全般をするのも難しいですし。娘さんも近くに住んでいらっしゃらなくて。ご主人の負担も大きかったのか、うちの施設にしばらく通うのも止めておられたんですね。そんな中、ケアマネージャーさんの説得などで、やっと久しぶりに来られたとき、奥様の人格がガラッと変わっておられて。
そんなことがあるんですか?
そうなんですよ。それまでは、穏やかにニコニコされていたのに、その時は、お風呂に入るお手伝いしようとすると、職員に対して手が出る足が出る、言葉もひどくて。ちょっと前までのこの方の穏やかな性格は、どこへ行ってしまったんだろう?と驚きました。あまりの変わりように、私たち職員たちもいろいろと考えて、もしかしたら認知症のお薬で、脳を活性化させるお薬のせいじゃないかと思ったんですよ。
薬によって人格に影響が出ることがあるんですね。
そうですね。人によっては合わない薬によって人格が変わってしまうことはありますね。それで、ご主人様にお話して、奥様の主治医にご相談してもらうようにお願いしました。結局、そのお薬を止めたらすぐに、スーッと元の穏やかでにこやかな奥様に戻ったんですよ。
利用者様に何か問題が起こった場合に、「原因は何だろう?」と、ご家族様、職員、ケアマネージャーさんと一緒に考えることが必要だなと思いましたね。この成功体験からとても多くのことを学べたと思います。
最後に、介護の仕事に興味のある人にメッセージをお願いします。
どんなに認知症が進んだ人だとしても、その方のちょっとした変化を「認知症だから仕方がない。」と思うのではなくて、なぜそうなったのかな?と立ち止まって考えることが必要ですね。介護がただの作業にならないように心がけることが大切だと日々感じています。お一人おひとりがまったく違うので、大変な面はありますが、その分やりがいも大きいと感じるお仕事です。
利用者様とスタッフと、皆で喜び合えるこのお仕事はとても多くの感動を運んでくれます。
一人でも多くの介護に関わる方に、是非、感動を目の当たりにして頂ければ嬉しく思います。
※この取材内容は、全ての介護職、および介護業界の実情にあてはまるとは限りません。