デイサービスの現役管理者に聞く、介護の仕事は離職率が高いと言われますが、実際のところを教えてください。
「介護の仕事は離職率が高い。」この言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?また、「腰痛」などの体力面や「給料が安い」などの待遇面での問題が離職理由として最も多いのでしょうか?
そこで今回は、デイサービスの現役管理者さんにお聞きした、介護の仕事は離職率が高いと言われますが、実際のところを教えてください。について、インタビューをお送り致します!
一般的に高いといわれる介護の仕事の離職率について教えてください。
私も今勤めているところで4ヶ所目ですからね(笑)。最初に勤めていたデイサービス施設は人間関係が原因で、1年半くらいで辞めました。2番目の施設は、勤め始めて半年くらいで閉鎖になったので退職を余儀なくされました。3番目の施設は、勤めて1年程経って、経営者の考え方に賛同できなくなったのと、利用者様の人数が約30人いらっしゃって、お一人おひとりと向き合う時間が少なかったので、もっと自分に合ったデイサービス施設を探したくて退職しました。
なるほど。理由をお聞きすると、様々な理由があって退職されていますね。
そうですね。施設の閉鎖は仕方のないことですし、もっと自分に合った施設を探すというのも向上心があるからこそだと思いますね。
介護業界で長く働こうと思ったら、恐らく皆さん色々な施設で様々な仕事をして経験値を上げていきたいのではないかと思います。介護施設は、デイサービス施設だけではなく、特別養護老人ホーム(注1)や小規模多機能型居宅介護(注2)、あとは訪問介護など本当に種類が多いんですよ。それらの施設で働こうと思ったら、今の施設の仕事をいったん辞めないと次の職場へは就職できませんよね?そういったプラスの理由の離職もたくさんあると思いますよ。
だから、離職率は高いとは思いますが、介護の仕事が合わないというマイナスの理由だけではないと思います。
(注1)特別養護老人ホームとは、社会福祉法人や地方自治体などが運営する公的な施設のこと。
(注2)小規模多機能型居宅介護とは、主に、通所介護(デイサービス)を利用しながら、必要に応じて短期滞在や訪問介護を受けることができるサービスのこと。
同じところにずっといらっしゃる方は少ないんですか?
私の周りを見ていても、そういう方はほとんどいらっしゃいません。確かに、介護の仕事から完全に離れるという意味での離職率も高いとは思いますよ。だけど、離職率を表す数字が、離職理由をしっかり調べてそれによって出されているものなのかどうかは良く分かりません。
そうですね。介護の仕事から完全に離れた方は身近にいらっしゃいますか?
今のところ、そういう方は身近にはいないですね。
では皆さんは、自分の経験を積み、スキルアップのためにいろいろな介護施設を回られてる感じですか?
そうだと思います。私の知り合いもほとんど、2ヶ所、3ヶ所と職場を変わっています。新たな仕事経験を求めてグルグルと回るといった感じでしょうか。
離職といっても業界内での転職って感じですね。では最後に、転職も含め、介護の仕事を探している人にメッセージをお願いします。
介護業界は離職率が高いという言葉は私もよく聞きます。私もすでに3回転職しているので、転職回数は多いほうでしょう。しかし、離職理由は、職場の人間関係の問題から、もっと自分を活かせる介護の仕事に就きたいという理由まで様々です。実際に、介護の世界でずっと仕事をしようと思えば、いろいろな種類の介護施設で異なる経験をするほうがキャリアアップにも繋がります。こういったプラスの離職理由も多いということを、介護の仕事に興味のある人には知っておいてもらいたいと思っています。利用者様の人生に深く関わり合えて、利用者様やご家族様の方のお役に立てる介護の仕事は私にとって天職だと思っています。働きがいがあり、これからますますニーズが高まる介護の仕事に興味のある人は、ぜひ、私たちと喜びや感動を一緒に分かち合いませんか?
※この取材内容は、全ての介護職、および介護業界の実情にあてはまるとは限りません。